従業員アンケートを年に1回以上行う企業は約4割、そのうち6割がアンケートを内製化

採用や研修、評価、労務管理などの人事に関する施策について、現場から何を求められているのか、また実行後に効果がどうだったかを把握するのに「従業員アンケート」は欠かせません。 PRO-Q会員の皆様が所属する企業において従業員に対する調査(アンケート)の実施状況について、2019年1月10日~2月12日まで、意見を集めました。

従業員アンケートを年間に1回以上行う企業は約4割


最初に、従業員アンケートの頻度を見てみましょう。『あなたの会社では、従業員アンケートをどのくらいの頻度で行っていますか』との質問に対する回答は、「1年に1回」(21%)が最多となり、「半年に1回」「3ヵ月に1回」および「1ヵ月に1回」を加えた1年に1回以上従業員アンケートを行う企業は43%となりました。企業規模ごとに見ると、1年に1回以上アンケートを行う企業は、従業員1000名以上では55%、300~1000名では56%、300名未満では34%となり、従業員アンケートの頻度は中小企業より大企業の方が高い結果となっています。

従業員アンケートを内製化しているのは約6割


定期的に行われる従業員アンケートは、自社で設計、製作されているのでしょうか。『従業員アンケートは内製化していますか? それとも外注していますか?』と尋ねたところ、「できるだけ内製化の方針である」が64%と半数を大きく上回りました。企業規模ごとに見てみると、「内製化の方針」としている企業は、従業員数1000名以上が40%、300~1000名が67%、300名未満は76%と、企業規模が小さくなるほど内製化している割合が高くなる傾向が分かりました。

従業員アンケートにかける予算は約7割が0円


では、従業員アンケートにかけている予算はどれくらいなのかを見てみましょう。『従業員アンケートにかけている予算を教えてください』との質問に対する回答は、「0円(すべて内製化している)」が69%となりました。ただし、予算は、企業規模が大きいほど多くなる傾向が見られ、従業員数1000名以上の企業では、「100万円以上、200万円未満」の回答は15%、「500万円以上」の回答も10%となりました。


最後に、「従業員アンケートの実施について感じる課題や所感」について、自由に意見を述べてもらいました。意見の内容を以下に抜粋して紹介します。


【課題の解決を目標とすべき】

  • 問題・課題を明確にする設問が少ない。(従業員数:1000名以上、サービス)
  • 弊社では長らくES調査を行っているが、何の成果も生み出せていない。エンゲージメント調査を実施すべき(従業員数:1000名以上、サービス)
  • 調査した結果のフィードバックをすること、一部でも課題の解決ができることが繰り返し実施のポイント(従業員数:300~1000名未満、メーカー)
  • 従業員の声を聞いて組織体制を見直さないし、技術出身の経営陣と管理者が己のミス・手抜きを認めず、提案制度さえ実施せずに問題を温存し改善を放置して先延ばしにしているため、業績が低下・低迷しています。(従業員数:300名未満、メーカー)


【従業員の本音が吸い上げられているのか疑問】

  • 本当の従業員の意見が吸い上げられているのか、疑問に感じる設問アンケートもある。忌憚のない意見を言えるような環境にないとおざなりなものになってしまうため、無駄。(従業員数:1000名以上、メーカー)
  • アンケート実施するにあたり、従業員が会社を信頼し、素直に回答できるかが問題。どうしても忖度する傾向があるように感じます。(従業員数:300~1000名未満、商社・流通)
  • アンケートでは、なかなか本音を聞き出せないと感じております。社内での環境を整え、日頃から何でも言える風通しのいい環境を作ることが重要だと、感じております。(従業員数:300名未満、サービス)
  • 質問が「役員・上司」受けのいいモノばかり。本音を引き出そうとする力がない。(従業員数:300名未満、メーカー)


【匿名では効果に限界がある】

  • アンケートをデータ解析して次の施策につなげていくのであれば記名式が絶対にいいと思う。「名寄せ」で他データと連結できるからだ。当方は無記名ではじめてしまったのでアンケートのなかでY因子を作らざるを得なかった。他データとの連結もできないのでアンケートに限界を感じる。(従業員数:300~1000名未満、サービス)
  • 全員対象のアンケート調査もよいが、各層から個人を選び、卓越したインタビューアが本質を聞き出す方式にも注目しています。(従業員数:300名未満、運輸・不動産・エネルギー)
  • 忌憚ない意見を集めたいので匿名にすると回収率が上がらない(従業員数:300名未満、マスコミ・コンサル)


【調査概要】 アンケート名称:「社内調査」に関するアンケート
調査主体:PRO-Q編集部(ProFuture株式会社)
調査期間:2019年1月10日~2月12日
調査媒体:アンケートメディア 人事・総務PRO-Q

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