研究開発型のインターンを実施する「産学協働イノベーション人材育成協議会」。金沢工業大学が入会を発表

金沢工業大学は2020年9月8日、日本の有力大学とグローバル企業で構成される、一般社団法人産学協働イノベーション人材育成協議会(以下、C-ENGINE)に同年8月より入会したと発表した。大学院生による研究開発実践型の中長期研究インターンシップを通じ、産学協同教育のさらなる充実を目指すという。

イノベーション創出人材の育成を目指し、産学協同教育の推進を強化

イノベーション創出に有効な手段として「研究開発実践型の中長期研究インターンシップ」が注目されるなか、専門性の高いインターン生をさまざまな大学の中から受け入れることができる中長期研究インターンシップは、企業と大学研究室間における連携のきっかけにもなっている。

金沢工業大学では2020年度より、次世代のリーダーを育てるという目的のもと、4ヵ月~1年間という長期間に渡り、学生が企業に就業し、その企業が実際に取り組む課題やソリューションに関わるという、独自の産学協同教育「KITコーオプ教育プログラム」を実施している。今回、産学協同によるキャリア教育プログラムのさらなる充実をはかるため、同プログラムに加えてC-ENGINEに入会し、研究インターンシップに取り組むことを決定した。C-ENGINEへ入会した大学は、同校で17大学目となる。

学生の研究分野にマッチしたインターンが可能に

C-ENGINEでは、イノベーションを創出する能力を持つ高度理系人材の輩出を目指し、修士課程・博士課程・ポスドクの研究インターンシップを推進している。同協議会は、日本の有力大学16校とグローバル企業36社がコンソーシアムを形成し設立された組織で、学生がC-ENGINEのIDM(Innovative HR Development Matching)システムに登録することで、広い企業群から自分の研究に合ったインターンシップテーマを選択することが可能だ。

また、研究インターンシップの期間は、原則として2ヵ月以上を推奨するなど、就職や採用を目的とするインターンシップとは一線を画しているのが特徴だ。学生が実践的な企業の研究現場に身を置くことで、さまざまな分野や業種に応用可能な専門能力(トランスファブルスキル)を身につける機会にもなるという。金沢工業大学は、同インターンシップを契機として、企業との共同研究体制の強化をはかるとしている。

急速な社会変容に対応するため、さらなる技術革新に取り組む企業も多いだろう。今後、産学連携の動きを活発化させることで、企業の経済的発展や新たな視点でのイノベーション創出につながることを期待したい。


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