働く主婦の6割以上が「在宅勤務」を希望。が望む勤務場所ランキング 1位61.0%、2位「通勤時間30分以内」

ビースタイルが運営する人材サービス「しゅふJOB」の調査機関、しゅふJOB総研は、2018年7月、「望む勤務場所」をテーマに、働く主婦へアンケート調査を実施し、10月に結果を公表した。本調査の有効回答数は770件。

働く主婦層が望む勤務場所はどこだろうか。『あなたが望む勤務場所として当てはまるものをお教えください』と複数回答で質問したところ、下記のような結果となった。

1位:在宅勤務(61.0%)
2位:通勤時間30分以内での勤務(52.2%)
3位:通勤時間15分以内での勤務(39.0%)
4位:近場のカフェやサテライトオフィスなどでのテレワーク(30.8%)
5位:通勤時間45分以内での勤務(12.3%)
6位:地方や海外など遠隔地でのテレワーク(11.8%)
7位:通勤時間60分以内での勤務(6.6%)
8位:特にこだわりはない(5.2%)
9位:その他(0.9%)


最も多かったのは「在宅勤務」であったが、在宅勤務をしたことがある人はどの程度いるのか気になるところ。『あなたは今まで在宅勤務をしたことがありますか?』(単一回答)との問いに対して、結果は下記となった。

・在宅で働いたことはない…68.6%
・常にではないが、在宅勤務したことがある…28.6%
・常時在宅で働いていた…2.9%

続いて『世の中の在宅可能な仕事の数について、あなたはどう感じますか?』と単一回答で質問したところ、最も多かったのは「どちらかというと少ない」(49.4%)。2番目の「少ない」(44.9%)と合わせると94.3%にのぼった。なお、「どちらかというと多い」と答えたのは4.8%、「多い」という回答はわずかに0.9%であった。

これらの結果から、しゅふJOB総研 所長 川上敬太郎氏は次のように述べている。

「働く主婦層が望む勤務場所について調査したところ、6割超の人が在宅勤務と回答して1位になりました。一方、通勤を希望する人も多く、通勤時間30分以内が過半数となっています。通勤時間15分以内を選んだ人よりも30分以内を選んだ人の方が多かったのは、むしろ近すぎる職場を回避したい気持ちもあるのかもしれません。

働く主婦層が望む勤務場所の1位が在宅勤務だったのに対して、実際に在宅勤務で働いたことがある人は3割強に留まりました。また、在宅仕事の数については9割以上の人が『どちらかというと少ない』か『少ない』を選んでいるように、働く主婦のニーズに応えるだけの受け皿はまだまだ不十分なようです」

まだまだ、浸透しているとはいえない在宅勤務。もし広まった場合、どうなるのだろうか。『在宅勤務がもっと一般的な働き方として広まった場合、働く主婦層の仕事環境にはどのような変化が起きると思いますか?』と、複数回答で聞いている。結果は下記の通り。

1位:育児しながら働く人が増える(85.8%)
2位:介護しながら働く人が増える(77.1%)
3位:夫が転勤しても仕事を継続できる(60.9%)
4位:遠隔地の仕事にも応募しやすくなり、就職しやすくなる(48.7%)
5位:障碍があっても働くことができる人が増える(47.7%)
6位:通勤時間分も働けるようになり所得が増える(31.3%)
7位:家の中にいても仕事に束縛されてしまう(23.1%)
8位:通勤しなくなり仕事をサボってしまう(9.6%)
9位:全国の求職者がライバルとなるため就職しにくくなる(6.1%)
10位:その他(3.2%)
11位:特に何も変わらない(0.9%)


この結果を受け、川上氏は次のように述べている。

「在宅勤務が広がればどのような変化が起きるかについては『育児しながら働く人が増える』が8割を超え、『介護しながら働く人が増える』、『夫が転勤しても仕事を継続できる』が続きました。

『家の中にいても仕事に束縛されてしまう』、『通勤しなくなり仕事をサボってしまう』などネガティブな項目を選択した人の比率は低く、在宅勤務の広がりをポジティブに捉えている人が多いようです」

同調査に寄せられたフリーコメントから、一部抜粋して紹介する。

<在宅勤務経験者>
・プライベートとの区切りが難しく、長く就業できなかった(40代:パート/アルバイト)
・家にいることで、家や近隣地域の仕事が専業主婦と同じようにできると誤解される(50代:契約社員)
・成果のみで評価され過ぎるリスクもあると思う。成果に至るまでのプロセスはどう報酬に繋げられるのかが明確でない(50代:契約社員)
・在宅勤務にして、子供の習い事に引率してあげることが可能になり、子供の色々な可能性を伸ばしてあげる事ができている(30代:SOHO/在宅ワーク)

<在宅勤務未経験者>
・親に介護が必要になったときに、だれもが、気兼ねすることなく、在宅勤務を選べる時代になっているとありがたい(50代:派遣社員)
・仕事部屋が確保されていないと、仕事と家事、育児などの時間を区別するのが難しくなると思う(40代:パート/アルバイト)
・在宅勤務できたら是非やりたいが、収入が低いイメージがある(50代:正社員)
・時間を確実に守って、オンオフの切り替えがちゃんと出来れば最高の働き方だと思います(50代:派遣社員)

本調査について川上氏は次のコメントで締めくくった。

「国会で働き方改革関連法が成立し、2019年4月の施行に向けて具体的な運用整備の段階に入っています。しかしながら、事業現場の施策が変わらなければ意味はありません。法の施行を待たずとも取り組むことができることはたくさんあります。在宅勤務やテレワークなどの体制整備もその一つです。

働き方を変えるには仕事の任せ方や管理の仕方も進化させていく必要があります。そんな変化の過程こそが、真の働き方改革となっていくはずだと考えます」

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