若手社員が離職する理由1位は「他にやりたい仕事ができた」。次いで「キャリアに不安」、「労働環境への不満」が続く

人手不足が深刻化する中、若手社員の早期退職は大きな痛手であるが、若手が早期に離職してしまう原因は一体どこにあるのだろうか。総合的な健康経営支援事業を行う株式会社アドバンテッジ リスク マネジメントは2019年5〜6月にかけて、同社のメールマガジンに登録する企業・団体の人事労務担当者127名を対象に、「若手社員(新卒1~3年目)の早期離職対策への取り組み状況や課題感に関する調査」を実施した。


人事労務担当者の考える「若手社員が離職する理由」とは何だろうか。


本調査において、「若手社員が離職する理由として多いもの(本音として考えられるもの)上位3項目」を尋ねたところ、最も多かったのが「他にやりたい仕事ができた」で33.1%。次いで、「自己成長・今後のキャリアに不安を感じた(29.9%)」、「労働環境に不満があった(29.1%)」と続く。

「メンタルヘルス不調など心身の健康に問題が生じた(15.7%)」のように、すでに仕事を続けることが難しくなった状態での離職も見られる。




これらを踏まえ、各社はどのような対策を講じているのだろうか。

「現在実施している、若手社員の早期離職を防止するための施策(複数回答可)」を尋ねると、1位に「管理職のハラスメント防止教育(38.6%)」、2位に「管理職のマネジメント力向上のための研修等(36.2%)」といった管理職への施策が挙がった。

3位には「福利厚生の充実(33.9%)」が挙がり、働く環境への配慮にも注力していることがうかがえる。




また、「現在実施している施策で十分だと考えていますか?」と尋ねると、『不十分』と感じている割合が半数を超えた。




ここで回答者から寄せられた「不十分である理由」を一部抜粋し、紹介する。


・キャリアステップ等の自己成長の意欲を高める研修ができていない(卸売・小売/2,000〜4,999名)

・職場外(人事等)の面談による本音の聞き取りが必要(製造業/1,000〜1,999名)

・若手を配属させる先の上司の意識改革が遅れているので、配属させられる場所が限られてしまう。管理職や指導職の人間の教育が必要(運輸/1,000〜1,999名)


あわせて、若手社員の早期離職問題について自由記述で寄せられた意見を紹介する。


・コミュニケーションをとることが苦手でストレス耐性に問題がある場合や、生活環境の変化に慣れることが大きなストレスになっていることが特徴(製造業/1,000〜1,999名)

・転職に対する悪い印象を持っていない。頑張ることは美徳とは考えていない。ここがダメでも隣にいけば世界が変わると安直に考える傾向がある(製造業/5,000~9,999名)

・中長期でやりたいことがはっきりしていない(医療・福祉/2,000~4,999名)



最後に「退職代行業者」に関連した回答結果。「退職代行業者から若手社員の退職を告げられたことはありますか?」と尋ねると、実際に退職代行業者から若手社員の退職を告げられた企業・団体は、約1割(9.4%)という結果であった。




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