「退職の意思を会社に言いにくい」が7割超、2割弱はトラブルにまで発展。ワークポート調査
ワークポートは2018年12月20日、同社を利用した転職希望者535名を対象に実施した「退職」に関するアンケート調査の結果を公表した。労働基準法が「退職の自由」を保障しているものの、多くの回答者が退職の意思を会社に言いにくいと感じ、退職時に引き留めにあっていることが分かった。
まず、退職の意思を会社に伝える際に「言いにくい」と感じる回答者が70.5%にも達した。その要因と一つとして「会社からの引き留め」が挙げられる。今回の調査でも、「退職時に会社からの引き留めにあったことはあるか」という設問に対して「はい」という回答が62.4%に達した。この背景には、人手不足という要因があると考えられる。
さらに、会社による退職引き留めがトラブルにまで発展したという回答が17.7%あった。具体的には「人員不足という理由で退職届を受理してもらえない」、「退職の意思を伝えても無視される」、「家にまで来られて引き留められた」、「辞める理由をしつこく聞いてくる」、「社内規定通りに退職届を提出したが、人員不足という理由で受理を先延ばしにされた」、「退職時の有休消化を断られた」、「“辞めさせない”の一点張りで胸ぐらをつかまれた」、「退職日を勝手に延ばされた」などの回答があった。さらに「退職の意思を伝えた日から嫌がらせやパワハラが悪化した」、「退職金を払わないと脅された」、「給与未払い」といった悪質なトラブルにまで発展している例もあると分かった。
このように、会社からの引き留めと、それに伴うトラブルの発生を恐れて、退職の意思を会社に言いにくいと感じている回答者が少なくないと推察できる。また、退職の意思を伝えた途端に給与増額や昇進の提示を受ける例もあり、転職先が決まっていたにも関わらず、会社からの圧力に負けて元の会社に残ることを選択したという回答者もいた。ワークポートは、役立つアドバイスをくれる相談相手がいない場合、会社からの引き留めに応じてしまうことがあるとしている。
ワークポートが同社の転職コンサルタント157人を対象にアンケートを実施したところ、71.3%が「これまで転職希望者から退職のトラブルや悩みに関する相談を受けたことがある」と回答しているという。そして同社では、退職に関する相談を受けたら「労働基準法の退職ルールについて」、「退職願と退職届の違いについて」、「口頭にて取り合ってもらえない場合はメールなどでログを残しながら意思表示をする」などのアドバイスを提供しているという。
そして業者のサービスを利用する場合、退職について支援できる内容が職種によって異なるという注意点を挙げている。転職コンサルタントはアドバイスすることしかできず、退職代行サービス業者は退職意思を代弁することしかできない。会社と直接交渉できるのは弁護士だけだ。ワークポートは、退職についての悩みやトラブルについては、状況に応じて適切な相手に相談することが重要としている。
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