企業側と学生側の考えの違いについて、「新卒一括採用」に半数以上の理系学生が“肯定的”な回答。
「新卒一括採用」に対する23卒理系学生の考えは「肯定派」が半数以上に
現在就職活動中である23卒の理系学生と、採用側の企業は、「新卒一括採用」についてどのように考えているのだろうか。
はじめにテックオーシャンが、理系学生に対して「新卒一括採用という採用方式についてどのように感じるか」を質問した。すると、全体では「もし採用方式が変わるとしたら不安を感じる」(消極的肯定)が31.2%、「一括採用を継続してほしい」(積極的肯定)が20.8%となり、肯定的な回答が合わせて52%だった。一方で、「一括採用はなくてもいい」という否定的な回答は24.3%だった。“消極的な肯定意見”が最も多かったものの、半数以上は新卒一括採用に肯定感を持っていることがうかがえる。
回答を男女別に見ると、男子学生は「もし採用方式が変わるとしたら不安を感じる」、「一括採用を継続してほしい」の合計が53.3%、女子学生は同合計が48%となり、男子学生の方がやや肯定派が多い結果だった。また、女子学生は「わからない」が13.5%で、男子学生の同回答と比べて3倍近い割合となった。同社は、「男子学生は個人の意見をはっきりと示す傾向がある一方で、女子学生は情勢を見つつ、ある程度柔軟に対応しようとする様子がうかがえる」と推察している。
4割以上の企業が「新卒一括採用」に肯定。「こだわらない」との回答も多数に
次に同社が、企業に対して「新卒一括採用の見直しについてどう考えているか」を尋ねると、「新卒一括採用を続けたい」が45.6%で最多だった。他方で、「新卒一括採用でなくても問題ない」が38.6%、「すでに一括採用は行っていない(新卒に関わらず通年採用している)」が12.3%、「新卒一括採用ではない方が良い」が3.5%と、新卒採用にこだわらない、または既に別の採用方法を導入している企業の合計が、半数を超える54.4%になった。
企業から寄せられた「新卒一括採用」に対する考え方のフリーコメントでは、「新卒一括採用を続けたい」と考える理由として、「採用の負担が増すため。学生の卒業時期は同じなので、同時期に採用活動を行った方が双方にとって都合が良いと思う」や、「現状以上に採用活動にかかる時間が増えるため。企業規模によっては、通年採用による採用者数の増加やその他メリットは得られないと思う」、「知名度の低い企業にとっては、目安となる活動期間が明確な方が採用につながりやすいため」などの回答があった。
また、「新卒一括採用でなくても問題ない」と「新卒一括採用ではない方が良い」の理由としては、「通年採用で採用工数の負荷を分散させたいため」や、「一括採用にこだわりはなく、通年採用で学生の受け皿を広げることも大切だと感じるため」、「新卒一括採用をなくすことによって、内定辞退の割合が減ると思う」、「必要なときに必要な人材をタイムリーに確保するため」といった声があがった。
本調査から、理系学生においては、従来の「新卒一括採用」という採用方式に対して肯定的な意見を持つ学生が半数を超えることがわかった。しかし一方で、企業側は同採用方式に対する賛否が分かれた。この結果を参考にしつつ、学生のニーズや、自社において対応可能な採用方法を適切に捉えたうえで、どのような採用方式がよいか検討していきたい。
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