大手企業の働き方改革実施状況、有給休暇取得促進は概ね対応済み。労働時間削減には各社取り組み中
2019年4月1日からの働き方改革関連法の施行に向け、大手企業では新たなシステムを導入。継続的に制度やルールを運用できる環境を整えようと準備が進んでいると考えられるが、その実態はどのような具合だろうか? ワークスアプリケーションズは2019年3月、国内大手企業100社を対象に行った「大手企業における働き方改革関連法への対応実態調査」の結果を発表した。調査は2018年12月19日〜2019年1月18日、アンケートによって行われたものだ。
2019年4月から特例を除き原則として月45時間、年360時間の上限ならびに罰則が適用される。本調査この「時間外労働の上限規制」に関して、各社に運用方針を選択肢から複数回答で、選んでもらっている。結果は下記の通り。
※株式会社ワークスアプリケーションズ調べ
全体的に、残業時間を確認しやすくしたり、上限に達さないよう注意喚起したりするといった施策に取り組む企業が多いようだ。
一方で、すでに「ノー残業デー」や「一斉消灯」などの時間外勤務の短縮を図る施策を実施しているものの、形骸化してしまっているケースも少なくなくない。働き方改革を見かけ倒しで終わらせないためには、企業の人事部門、さらには経営者自らが旗を振り、従業員の意識改革を進めることが求められている。
<回答企業から寄せられた取り組み事例>
- 経営層と直接議論
- 部門ごとの目標達成率を全社公開
- 変形労働時間制の導入で、残業時間削減の効果を実感
- 客観的な労働時間の把握をマネジメントに活かす
次に、年次有給休暇の「年次有給休暇の確実な取得」に向けた運用方針(実施率の高い上位3項目)について質問しており、下記グラフがその結果だ。
※株式会社ワークスアプリケーションズ調べ
80%以上が「取得状況は基準を達成している、もしくは取得に向けた管理体制を構築できているなどの理由から、特別な対応は行わない」と回答。すでに対応が進んでいることがうかがえる。ただ、一部の企業においては、特定の従業員において未取得者が若干名存在するといった声も寄せられ、背景として「管理職が部下の残業や有休の取得状況を改善すべく、業務を巻き取った結果、休めない状況になっている」といった課題も見えてきた。
また、年5日の年次有給休暇の確実な取得については、新たに半日有休の制度導入を検討する企業が多く見受けられた。
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