8割ほどの企業がパワーハラスメント対策を実施、しかし真の問題は数字に表れない部分に潜む
アドバンテッジリスクマネジメントは2019年1月28日、パワーハラスメントに対する対策への取り組みや、政府が推進する法案に対する意識について調査した結果を発表した。回答者は同社のメールマガジン会員268名。
まず、パワーハラスメント対策を「実施している」という回答は全体の79.9%に達し、従業員数2000名以上の企業、団体では9割以上に達したという。
現在実施している対策で「十分」「おおむね十分」という回答は全体の4割弱となったが、「やや不十分」「不十分」とする回答も同様に全体の4割弱という結果になった。
厚生労働省が示すパワーハラスメント防止措置の義務化については、7割弱が「賛成」と回答し、「反対」という回答は4.1%にとどまった。そして27.2%が「どちらでもない」と回答している。
賛成する理由としては「国による共通指針の明確化」「意識の浸透」などの回答が多かったという。そして反対する理由としては「過剰反応」「画一的な指針策定への懸念」が上がっている。
アドバンテッジリスクマネジメントは以上の結果から、パワーハラスメント対策を推進する上での課題として、「『指導』と『パワハラ』の線引きが明確でない」「部下の過剰反応を恐れて上司が慎重になるあまり、双方のコミュニケーションが希薄になり、部下のやる気を引き出す機会が減少する」の2点を挙げている。
その上で、パワーハラスメントの原因として、上司と部下のコミュニケーション不足を挙げ、双方の信頼関係が構築できていれば、パワーハラスメントを防げるとしている。そして、受け手である部下については、些細なことで「パワーハラスメントだ」と拒絶せず、その場で起きていることを正しく把握し、上司からの指摘の受け止め方を見直すトレーニングが必要だとしている。
厚生労働省が進める法制化については、上司と部下の信頼関係を構築した後の後ろ盾に過ぎないとし、上司と部下がお互いに相手の感情を読み取り、自身の感情をコントロールすることが重要だとしている。
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