「従業員の満足度の向上」がワークプレイス変更の大きな理由の1つに。前年調査より36ポイントの大幅アップ

人手不足がますます深刻化する中、多くの企業がワークプレイスを見直す動きがでている。事業用不動産サービスの分野で世界最大手であるCBRE Groupの日本法人CBRE株式会社は日本に拠点を置く外資を含む企業で、主にオフィス戦略に関わる担当者を対象に、「オフィス利用に関するテナント意識調査」を実施(有効回答数:東京23区 239件<うち本社206件 86%>)、その結果をまとめた特別レポートを発表した。


本アンケート調査において、「今後想定されるリスク要因」を尋ねると、「人材の確保」が最も高い回答割合となり、前回調査(2017年)結果を10ポイント上回った。

同回答は、「コストの増大(人件費)」や「経済の不確実性」をも上回っており、「人材の確保」が企業にとっていかに大きく、かつ喫緊の課題であるかがうかがえる。




次に、なぜワークプレイスの変更が求められるのか、その理由を見ていこう。


「ワークプレイスを変更した、もしくは変更する予定がある場合の理由」を尋ねると、特に回答割合が高かったのは、「多様な働き方への対応」、「生産性の向上」、「従業員の満足度向上」で、いずれも回答割合は6割以上となった。


これらはいずれも、前回調査結果を上回る割合となっており、中でも「従業員の満足度向上」は、前回の26%に比べて36ポイントの大幅アップとなっている。


2019年4月より残業時間の上限規制が法制化された影響もあり、限られた時間の中で高い成果を生み出すためにも、従業員の満足度を高め、かつ仕事に対するモチベーションを向上させるようなワークプレイスが求められているといえそうだ。




近年、働き方改革の流れの中で、仕事の内容に合わせて働く場所を選ぶ働き方、いわゆる「ABW(アクティビティ・ベースド・ワーキング)」が注目されているが、このABWについてはどれくらいの認知度があるだろうか。


本アンケート調査結果では、50%以上のテナントが「ABW」という言葉について「知っている」、または「聞いたことがある」と回答。




ABW導入済の企業に、「ABW導入後の効果」を尋ねると、最も回答割合が高かったのは「従業員の満足度向上」、次いで、「コラボレーションの促進」、「コスト削減」であった。


一方、ワークプレイスの変更理由として上位に挙がっていた「生産性の向上」は3割未満に留まっている。この理由としては、ABWという形態が比較的新しく、現時点ではまだ具体的な効果が捉えられていないことが考えられる。




―― 本アンケート調査結果を受けて、CBRE リサーチ シニアディレクター鈴木孝一は、次のように述べている。


「人材不足が深刻化する中、企業は快適な業務環境を整える観点から、ABWの導入など、積極的にワークプレイスを見直そうとしている。さらに、テクノロジーの進化により、離れた場所でのスムースなコミュニケーションが可能となり、テナントが関心をもつオフィスエリアも分散し始めている。オフィスビルに対する価値基準は、今後ますます変化していくであろう」

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