2020年、中途採用市場の鍵は「越境採用力」。異業種転職経験者の割合が約7割に
異業種への転職経験者が約7割に。業種・職種の壁を越えた「越境転職」が一般化
「転職」と聞くと、あくまで前職と同業種・同職種の他企業に再就職するイメージが強いかもしれない。しかし、転職決定者のデータ分析から、ここ10年間の中途採用市場の動向として指摘できるのが、業種・職種の壁を越えて転職する「越境転職」のスタンダード化だ。
2009~2018年度の転職決定者データによると、同業種に転職した人は32.6%と3割弱にとどまっている一方で、異業種への転職が67.4%にのぼり、約7割の転職決定者がこれまでとは別の業種に就いたことがわかった。
また、2009~2013年の5年間に異業種転職が決定した数の平均を「1」として、2014~2018年の推移を見ると、伸び率でも、同業種転職よりも異業種転職の方が高いことがわかる。異業種転職は年々増加している傾向にあるといえるだろう。
※株式会社リクルートキャリア調べ
転職前後の「業種×職種」の比率では「異業種×異職種転職」が最多
さらに、同じく2009~2018年度の転職決定者データから、転職前と後とで「業種×職種」の組み合わせはどうなっているのかを調べた。
- 完全な越境である異業種・異職種への転職「異業種×異職種」
- 前職とは異業種だが同じ職種へ転職「異業種×同職種」
- 前職と同業種だが異職種に転職「同業種×異職種」
- 前職と業種も職種も同じ企業へ転職「同業種×同職種」
上記の4種に分類し、転職者のキャリア移行の動向を分析。比率が最も高かったのは「異業種×異職種」で34%。次いで、「異業種×同職種」が33.4%という結果が出た。約3人に1人が、業種と職種の両方とも今までとは別のジャンルを選ぶ「越境転職」を果たしたことが、このデータからわかる。
※株式会社リクルートキャリア調べ
産業構造の変革により、中途採用市場にも不可逆な変化が起こっている。あらゆる産業でこれまでの業種の概念が刷新されている近年、転職・採用は業種も職種も問わない傾向が加速しているといえる。企業は、「同業種×同職種」の転職希望者だけを候補とするような、これまでの採用慣行を見直すことが必要になるだろう。「越境採用力」を獲得するために、新たな採用戦略を再構築することが求められそうだ。
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