「コロナウイルスの影響とweb就活」に関するアンケート調査レポート 「Web就活」未実施7割という現状、その理由と未来は?

新型コロナウィルスの影響は都市部の学生だけにとどまらず、都市部以外に在住する学生にとっても、就職活動で移動する手段や就活イベントへ参加できることが可能か先行きが不透明な状態です。新型コロナウィルスの感染拡大をうけて、採用支援企業各社がWebでの採用選考を推進するためのプロジェクト「Webシューカツ推進委員会」を立ち上げました。こうした状況のなかで、新卒採用に関わる事業を行っている企業の責任として、「少しでも就活生の不安を軽減させたい」という考えから発足しました。そこで今回は、この世相に対し、「Web就活」について意識のアンケートを実施しました。調査期間は、2020年03月02日~3月23日です。

「実施する予定はない」の回答が多い実態は?

設問1で「貴社でのWeb就活の実施状況を教えてください。」と質問したところ、各従業員数別企業の回答は以下のような結果となりました。



従業員数が1000名以上の企業では、最多の回答は「今回の新型コロナウィルス対応で実施し始めた」33.3%、ついで「従来から実施している」が26.7%、「今回の新型コロナウィルス対応で実施しようと検討している」と「実施する予定はない」の2つの回答が各々20%ずつでした。


従業員数が300~1000名未満の企業では、最多の回答は「実施する予定はない」41.7%、ついで「今回の新型コロナウィルス対応で実施しようと検討している」37.5%、「従来から実施している」16.7%、「今回の新型コロナウィルス対応で実施し始めた」4.2%という回答結果でした。


従業員数が300名未満の企業では、最多の回答は「実施する予定はない」64.3%、ついで「従来から実施している」17.9%、つづいて「今回の新型コロナウィルス対応で実施しようと検討している」14.3%、最後に「今回の新型コロナウィルス対応で実施し始めた」3.6%、という回答結果になりました。


従業員数別で企業の回答結果の特徴を見ると、従業員数が1000名以上の企業は「今回の新型コロナウィルス対応で実施し始めた」が最多回答でしたので、この事態への反応と対応が早いということが、わかります。従業員数が300~1000名未満と従業員数が300名未満の企業は、「実施する予定はない」が最多の回答となっています。


全体でみると、現状で「従来から実施している」「今回の新型コロナウィルス対応で実施し始めた」は全体の3割にとどまり、約5割が「実施する予定はない」と回答でした。Web就活の実施は、まだまだ難しいと判断する企業が多かったことが窺えます。

Web面接のメリットを感じながら、事態の先行き不透明さが表れる

次に、「コロナウイルスの影響を受けてWeb就活を行う流れが活発化していますが、事態が収束した後のWeb就活の流れはどうなると思いますか?」と質問しました。



従業員数が1000名以上の企業では、「実施企業は増え続けると思う(実施するメリットが大きいため)」という回答が最も多く、73.3%をという高い「Web就活への支持」が現れました。ついで「事態収束と共にweb就活実施の流れも収束すると思う」20%、「わからない」6.7%という結果になりました。


従業員数が300~1000名未満の企業でも、「実施企業は増え続けると思う(実施するメリットが大きいため)」という回答が最も多く、54.2%となりました。「事態収束と共にweb就活実施の流れも収束すると思う」29.2%、「わからない」16.7%という結果になりました。


従業員数が300名未満の企業はほかと違い、「わからない」という回答が最も多く、35.7%となりました。「実施企業は増え続けると思う(実施するメリットが大きいため)」は33.9%となり、「事態収束と共にweb就活実施の流れも収束すると思う」30.4%と3つの回答がほぼ3等分にわかれる結果となりました。


大企業においては、事態収束後もWeb就活のメリットが大きいとして、Web就活に移行していく可能性を示唆しています。一般的に、地域に限定されずに優秀人材を獲得できるWeb就活は採用母数の大きい大企業にとっては有効な手段なると考えられているのではないでしょうか。一方、従業員規模が小さくなるにつれて、インフラ整備や対応リソースなど、これまでのやり方を変えていくことは相当な負担と考えていることが推測されます。

コミュニケーション不安とツールなどの準備不足が入り混じる

つづいて「Web就活を導入するにあたっての問題点・課題点は何だとお考えですか?」と質問をしました。



全ての従業員数別の企業において、1位の回答数だったのは「スムーズなコミュニケーションの不安」で、1000名以上で73.3%、300-1000名未満で54.2%、300名未満で60.7%となりました。


次に、2位の回答は各従業員規模毎に分散する結果に。従業員数1000名以上の企業では「セキュリティの不安」が40%、企業規模が300-1000名未満では「Web面接ツールの導入・運用」が41.7%、そして業規模が300名未満では「web就活実施に際する知識・ノウハウを持つ人材の不足」が37.5%という結果でした。


「Web面接ツールの導入・運用」の回答を見ると、従業員数が「300-1000名未満」「300名未満」の企業は、「1000名以上」の企業の回答の約2倍以上の回答数となっており、より課題・問題点とし捉えている企業が多いようです。



最後に「Web就活に関するご意見、新型コロナウィルスの採用活動における影響など、ご自由にお書きください。」とし、皆さまからコメントが寄せられました。一部抜粋してご紹介します。



【Web面接にポジティブな意見】

  • コミュニケーションのIT化は今後のライフスタイルや生産性のため必須。ウイルスに限らず、地震 災害でも必要。これを機に昔のやり方から脱却しなければ、ますますダメな国になってしまう。
  • 何回も会えるのでweb就活はよいと思う。実際に会うのは最終面接くらいでいい。
  • デジタル化の進展により『1on1meeting』がシリコンバレーでそもそも取組みはじめられたように、折角学習した、(人間)双方の理解は同一の空間を共有することに尽きるという原点を決して失わないことが結果として不幸な将来を回避出来ることであると考えます。
  • 2021年度の新卒採用は行っていないので、影響はない。
  • 現実的にはまだ影響はない。
  • Webでの就活はある程度実施可能と考えるが、最終的面接の段階では直に会って面談する方がお互いに相手を理解するのに役立つと考えるため、すべての工程をWebだけに頼っていいとは考えていない。Webの利用可能な点だけを取り入れていくのが効果的と考えている。


  • 【Web面接にネガティブな意見】

  • HPを閲覧したら、その企業を分かったような顔で、他の努力をすることもなく面接に訪れる低次元の志願者ばかりが目立ち始めたことが残念過ぎる。大会場、大人数でのイベントがなくなるだけ。
  • 弊社では遠隔地の学生向けにWEB説明会・面接を準備していたが、結果的に今回の対策にも活用することとなった。対面式では入退室や仕草等も含めて、情報を得ていたがWeb面接ではやはり情報量が限定的になってしまうことが懸念される。
  • 弊社は、3月中自粛と決定しました。webだと、弊社の強みや大切にしていることが伝わらない、反してしまうと考えて、実施する予定はありません。ただ、活用できると効率的なので魅力的だとか感じております。
  • 相手(面接官)との駆け引き、勝負への緊張感等、体感しなければ得られない貴重な経験を得られるからである。
  • 説明会や質問受付などはweb上で完結させたとしても、面接はやはり実際に会ってという事になると思う。


【調査概要】 アンケート名称:「コロナウイルスの影響とweb就活」に関するアンケート
調査主体:PRO-Q編集部(ProFuture株式会社)
調査期間:2020年3月2日~3月23日
調査媒体:アンケートメディア 経営PRO-Q/人事・総務PRO-Q
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