キリンビールが「健康経営」に向けた実証実験を開始、スマートウォッチの活用で従業員の安全を見守る
スマートウォッチを通じて従業員の熱中症リスクなどを検知
キリンビールでは、製造現場作業における労災事故の「未然予防」および「早期発見」を目指し、従業員の転倒防止など、安全・衛生を重視した体制づくりを進めてきた。近年、猛暑日による熱中症による救急搬送者数は全国的に増加傾向にあり、同社では工場現場で熱中症のリスクが高まっていることを課題としていた。そこで今回、各地のキリンビール工場において、熱中症予兆の検知機能が付加されたサービス「Work Mate」を活用し、従業員の健康状態を「見守る」実証実験を行うことを決めた。
キリンビールとユビテックは、今回の実証実験に先駆けて、2019年に同社滋賀工場にて、全従業員を対象に「Work Mate」の実証実験を実施。従業員の転倒・転落の検知など一定の効果を得た実績を持つ。その結果を踏まえ、今回は対象をさらに拡げ、キリンビール横浜工場・取手工場・神戸工場およびキリンディスティラリー富士御殿場蒸溜所にて、2021年7月~9月の間、スマートウォッチを一定数の従業員が着用し、従業員の脈拍や体調不良、転倒といったデータの収集・分析する。その上で、作業現場における安全管理の正常性や有効性などの検証を実施するという。
今回の実証実験により、従業員の安全・健康状態の管理と検知に効果が認められた場合、キリンビール各工場での展開を拡大する予定だ。今後もキリンビールとユビテックは、安全・安心な職場環境の構築に貢献することで、社会課題の解決を目指していきたいという。
年間を通して、職場環境の改善と従業員の安全・健康を守ることが大切なのはもちろんだが、特に熱中症のリスクが高まるシーズンでは急務になるだろう。従業員の健康状態を見守るシステムを構築することで、労災や疾病を未然に防ぐことにつながるかもしれない。
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