サイバーエージェント曽山氏に聞く、会社を強くする人事制度の作り方 「働きがいのある会社」を作るために、人事は何を考えるべきか?


「働きがいのある会社」「社員が定着する会社」にするために、企業はあらゆる策を講じている。しかし、そのすべてが奏功するわけではなく、「社員のモチベーションが上がらない」「若手の離職が多い」といった声も多く聞こえてくる。人事制度導入にあたって、人事はどのようなことに注意を払うべきだろうか?  今回は、サイバーエージェントの人事を統括し、離職率30%という状態から「働きがいのある会社」に変貌させた人事のスペシャリスト曽山哲人氏に、話を聞いた。今では多くの企業が参考にしている同社の施策だが、成功のファクターは何なのか。施策が成功する会社と、失敗する会社の違いとは。


株式会社サイバーエージェント 取締役 人事統括
曽山哲人 氏
1974年生まれ、上智大学文学部卒業。新卒で株式会社伊勢丹(現 株式会社三越伊勢丹ホールディングス)に入社し、紳士服販売とECサイト立ち上げに従事したのち、1999年にサイバーエージェントへ。インターネット広告事業部門の営業統括を経て、2005年人事本部長に就任。 現在は取締役として採用・育成・活性化・適材適所に取り組む。著書に「強みを活かす」「最強のNo.2」「クリエイティブ人事」など。

「社員の関係性の質」を向上する取り組みで、離職率を低減

──「働きがいのある会社」をつくるために、人事としてどんなところに着目し、どのような施策を実行したのでしょうか?


曽山哲人氏(以下、曽山) サイバーエージェントの離職率が低減していった背景には、3つのポイントがあります。1つは、「軸の明文化」。これは後ほどアンケートの部分で詳しくお話ししたいと思いますが、企業のビジョンや理念など「軸」が明確になっているということです。次に、社員の「横のつながり」。最後は「個人への光」、これは賞賛する文化や風土のことです。
最も効果を感じたのは、2番目の「横のつながり」に関わる施策です。業績の良いチームは社員同士の仲が良く、チーム内のコミュニケーションが活発だという発見があり、私たちは、社員の「関係性の質」に着目しました。


──具体的にどのような手を打ったのでしょうか。


曽山 「懇親会支援制度」という飲み会の制度です。サイバーエージェントでは月に1回まで、チームで行くことを条件に、1人あたり5,000円を会社が支援しています。「部活動」も効果がありました。全社告知をして部員を募るという条件で、部活動の費用を支援しています。

関係性の質を上げるためのキーワードの1つに、「共通項の多さ」があります。例えば、私ともう一人の関係が、仕事でしかかかわらない場合、共通項は1つの関係といえます。これが、飲み会で共通の話題が見つかると2つになりますし、さらに、社内で同じ部活動に所属していたら3つになります。こうして共通項を増やし信頼関係を厚くしていくことで、情報の流通が促進されます。ポジティブな情報が早く流れれば業績にはプラスになりますし、トラブルなどネガティブ報告が早く分かれば業績のマイナスも抑えられます。


──「軸の明文化」は後ほど話していただけるとのことですので、先に「個人への光」についてお聞きします。何を行ったのでしょうか。


曽山 表彰です。褒める文化をつくりました。離職率が高かった時代、「会社にいても存在意義を感じられない」という理由での退職が多発していました。一方で、社員が定着している部署に目を向けると、対話の量と「褒め」の量が圧倒的に多いことが分かりました。そこで、社員の努力と成果に光を当てる、という目的で表彰制度を見直しました。
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サイバーエージェントでは、現在2つの表彰を行っています。年に1回の全社表彰と、毎月すべての部門単位で行う表彰です。成果を出した人だけでなく、チームワークに優れた人、技術やクリエイティブな面で貢献した人など、さまざまな観点で見ています。また、部署ごとの表彰でも全社表彰でも、社員から推薦を募り、目に見える成果を上げた人だけではなく、縁の下の力持ちにも光を当てています。

経営マネジメントには戦略が大切ですが、人事マネジメントにおいて最も重要なのは「感情」です。社員をどういう感情にしたいのか、その意思をもって制度を考えることが重要です。


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プロフィールPROFILE

株式会社サイバーエージェント 取締役 人事統括 曽山哲人(そやまてつひと)

上智大学文学部英文学科卒。1999年株式会社サイバーエージェントに入社。インターネット広告事業部門の営業統括を経て、2005年人事本部長に就任。現在は取締役として採用・育成・活性化・適材適所の取り組みに加えて、「最強のNo.2」「クリエイティブ人事」「強みを活かす」など複数の著作出版やアメーバブログ「デキタン」、フェースブックページ「ソヤマン(曽山哲人)」をはじめとしてソーシャルメディアでの発信なども行っている。

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しま

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