非正規雇用者のうち6割以上が正社員を希望、彼らが抱える不安と企業ができる対策とは
一方で、企業からは「人手不足で正社員を採用したくても採用できない」という声が上がっている。この記事では、正社員を望む非正規雇用者の本音を知ることで、企業側にできる対策がないかを探る。
正社員で働けるのであれば、正社員を希望するか?
※ディップ株式会社調べ
現在、非正規雇用で就業している人で、正社員を希望すると回答したのは64.1%(9,365人中6,000人)。そのうち3,000人に調査したところ、上記の「不本意非正規」には当てはまらないが、理想は正社員で働きたいと答えた「隠れ不本意非正規」が約7割にものぼった。このことから、正社員を希望する人は、顕在化している数よりはるかに多いと言えるだろう。
正社員として就業していない理由は?
※ディップ株式会社調べ
3項目のうち、5項目が「不安」や「自信のなさ」を原因としている。最多は「年齢が壁になり採用されなさそう」(23.4%)で、特に中高年層のフリーターや主婦(主夫)に多い。そのほか、「学歴・職歴など経歴に自信がない」(19.7%)、「自分でもできる仕事があるか自信がない」(17.0%)、「職場になじめるか心配」(16.2%)などの回答が並び、「経歴」、「仕事内容」、「職場」への不安が大きな足かせになっていることがうかがえる。
なお、「非正規で働きながら正社員への転職活動を行った人」は37.6%しかおらず、そもそも転職活動に踏み出せていないことがわかった。正社員への応募者を増やすためには、企業が彼らの不安に寄り添い、取り除くための対策が必要となる。
経歴についての不安と対策
経歴についての不安点として、「非正規雇用期間が長いこと」、「資格やスキルがないこと」、「正社員経験がない・少ないこと」が挙がっている。そうした不安を抱える人に、どうしたら応募検討意欲が上がるかを聞いた。
※ディップ株式会社調べ
「採用前に職場の見学や体験ができ、自分の目で仕事内容や働いている人について確かめられること」(58.3%)で自分が働いているイメージを持ち、「学歴が低い・職歴がない人、もしくは非正規雇用から採用された人が活躍する様子」(57.0%)」を見ることでそのイメージを具体的に裏付けたい、と考えているのではないだろうか。
このように、事前に職場の見学や体験ができる制度は、応募者の背中を押す材料になりそうだ。雇用する側にとっても、ミスマッチを防ぐ有効な手立てと言えよう。
仕事内容についての不安と対策
仕事内容に不安を持つ人が、先立って知りたい内容は下記の通りだ。
※ディップ株式会社調べ
具体的な仕事内容やその適性を知り、自分にできそうかを判断したい、という声が多いようだ。また、若年層は「数年後にやるであろう仕事内容」を知りたがり、中高年層は「商品の取り扱いが難しくないか」を気にする傾向にある。このことから、人材や年代に沿った対策が求められる。
職場についての不安と対策
正社員を希望するからには、長く働くことを想定している場合がほとんどだろう。それだけに、職場になじめるかどうかは大きな不安材料となる。事前に知りたい職場の情報には下記が挙がった。
※ディップ株式会社調べ
「雰囲気や社風を知りたい」(69.4%)と「平均残業時間を知りたい」(67.1%)が、2.3ポイントの僅差で並んだ。中高年層では特に、「平均残業時間」、「産休・育休等の休暇取得実績」、「年齢別の割合」についての要望が強い。企業は、残業時間や離職率など数値に加え、雰囲気や社風などの情報も記載することで、求職者により安心感を与えることを心掛けたい。
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