働く女性の健康に関する意識調査。女性特有の健康課題に対し企業に求められる理解

株式会社バリューズフュージョンは2020年1月、従業員数300人以上の企業に勤務する20~40代女性を対象におこなった「女性特有の健康課題に関する意識調査」の結果を発表した。調査期間は2020年1月17日~20日。「女性特有の健康課題」に対する男性管理職の理解不足や配慮が不十分な社内制度により、女性従業員が心理的負荷を感じている様子が浮き彫りとなる結果になった。

6割以上が「女性特有の健康課題」は男性上司には伝えにくい

女性には、月経、妊娠、出産、更年期といった特有の健康課題があり、仕事中に「心身の不調」を感じる人も多いのではないだろうか。上司が男性であることに関し、あてはまるものについて調査した結果、「あてはまる」との回答が最も多かったのが「女性特有の健康課題で体調が優れない時に言いにくい」という設問だった。具体的な回答割合を見ると、「とてもあてはまる」が24%、「ややあてはまる」が41%という結果だ。約3人に2人という多くの女性が、男性上司には女性特有の健康課題が原因の体調不良を伝えにくいと感じており、心理的な負荷を感じている様子がわかる。一方、そのような負荷を特に抱えていない女性は全体のわずか20%程度にとどまった。



男性上司に理解してほしいことは「我慢」や「気分の変化」

次に、「女性特有の健康課題で男性上司に理解してほしいこと」についてあてはまるものを尋ねた。その結果、「体調不良を言い出せず、我慢して辛い思いをしている」という設問で「あてはまる」、「ややあてはまる」と回答した人は合わせて54.9%だった。同様に、「気分が変わる場合がある」が52.8%といずれも過半数を超える結果となっている。言いにくいがために、男性上司に察して欲しいと感じる女性が多いのだろう。



年齢別に見ると若年層でより強い傾向に

上記の設問の回答割合を年齢別に見ると、若い女性ほどその傾向が高いことが明らかになった。全体平均が54.9%であるのに対し、20代は63.6%にものぼっていることがわかる。


具体的には、「月経痛がひどく業務に支障が出ることがあるが、男性上司だと言いにくく理解されないと感じる」「月に一度は必ず貧血気味になり、パフォーマンスが落ちることがある」といった声があがった。



会社側への意識の向上や改善策を望む女性が多数

最後に、「女性特有の健康課題に絡んで思うことや会社側に望むこと」について尋ねたところ、「もっと会社側に関心を高めてほしい」と回答した人が72.3%、「体調がすぐれない時に、男性上司に相談する以外の仕組みを設けてほしい」が68.2%と約7割近くにのぼる結果となった。このほか、「男性管理職に向けたセミナーや研修会の開催」や「女性管理職の増員」を希望する人も約6割見受けられた。会社側に対して、意識の向上や改善策を望む女性が多いことがわかる。



経済産業省によると、女性特有の健康課題による労働損失は4,911億円と試算されており、健康経営を通じて女性の健康課題に対応し、女性が働きやすい社会環境の整備を進めることが、生産性向上や企業業績向上に結びつくとしている。企業においても、男性管理職や女性従業員自身が、女性の健康に関するリテラシーの向上に向け積極的に取り組む機会を作ることが、女性活躍推進のキーとなるのではないだろうか。

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