生産性向上と人財定着を目指した組織づくり
生産性向上のキーワードは“チームビルディング”
労働力の減少が深刻化する中、多くの企業が生産性向上への取り組みに注力しています。そうした中、「成果が出ない…」「なかなか生産性が向上しない…」と悩んでいる企業は、既存の組織においてチームの体制が築けているか、現場を確認してみましょう。なぜなら生産性の高い組織には、組織の成果を最大化できるチームの存在が不可欠だからです。
組織の成果を最大化できるチームは、メンバーひとり一人が自身の能力を最大限に発揮できる環境を整えています。共通の目標に向かって個々のメンバーが自分の役割を全うし、時にメンバーが一丸となって問題を乗り越えていく。そうして成長し続けるチームのある組織こそが、成果を最大化できる組織なのです。
もし現場でチームビルディングに取り組めていないのであれば、課題は人財にあるかもしれません。人事部門がチームビルディングの重要性を理解して、チームビルディングに取り組めるリーダーの育成を推進することが必要でしょう。そしてメンバー全員がチームのアイデンティティを再認識し、ひとり一人が熱意や目的意識を持って取り組めるようにマインドセットを切り替える必要があります。
チームビルディングは人財定着にも効果を発揮
チームビルディングの取り組みは、従業員の離職防止、つまり人財定着にも役立ちます。チームビルディングとは、社員のモチベーションコントロールにも関係しているのです。成果を最大化できるチームは、メンバー共通の目標と個人の役割が明確になっています。そのため、メンバー同士が目標達成に向けて切磋琢磨しながら、時にはお互いの力を認め合う状況が生まれ、またメンバーひとり一人が自身の役割を果たすことで、チームに貢献できている、という実感を得られます。
自分の力を磨き、周囲から認められ、チームにも貢献できる。従業員のモチベーションが高い状態にあることは、わが身に置き換えて想像できるでしょう。高いモチベーションを持って日々の業務に取り組める環境こそが、人財の定着につながるのです。
効果的なチームに欠かせない5つの因子
人財が長く定着しないこと、すぐに離職してしまうことは、企業に悪影響を及ぼします。技術や経験の蓄積・継承が困難になり、他のメンバーのモチベーションが低下し、次なる離職にもつながる、といった具合に、組織内で悪循環が広がるのです。このように、さまざまな問題を引き起こす離職を防ぐためには、企業がチームビルディングを通じて従業員ひとり一人モチベーションをコントロールすることが重要になります。
そうした中、効果的なチームづくりの参考例として広く認知されているのが、Googleの研究チームによる「Project Aristotle」の調査結果です。Googleは、「効果的なチームとは何か」を明らかにするため、自社内の180のチームを対象に調査を行いました。そして、チームの効果性に影響を与える因子を突き止め、重要な順に次のとおり公表しています。
心理的安全性
対人関係においてリスクある行動を取ったとき、つまり「無知、無能、ネガティブ、邪魔だと思われる可能性のある行動をしても、このチームなら大丈夫だ」と信じられるか。
相互信頼
メンバーに責任を転嫁することなく、クオリティの高い仕事を時間内に仕上げられるか。
構造と明確さ
具体的で取り組みがいがあり、達成可能な目標か。さらに職務上で要求されていること、その要求を満たすためのプロセス、そしてメンバーの行動がもたらす成果について、個々のメンバーが理解しているか。
仕事の意味
経済的な安定や自己表現等の属人的な仕事の意味を踏まえたうえで、仕事そのもの、またはその成果に目的意識を感じられるか。
インパクト
個人の仕事が組織の目標達成に貢献していると、メンバーが主観的に思えるか。
効果性とは、長期にわたり高い効果を上げ続けられる能力のことです。組織が持続的な成長を遂げるために必要な能力とも言えます。心理的安全性をはじめとする5つの因子が、組織に、チームに備わっているか、今一度検証してみましょう。
Amazonギフト券(1,000円分)を30名様に贈呈!
また、入会者全員にビジネスに役立つ話題の書籍等と交換できるPRO-Qポイント「100ポイント」もプレゼント中!
この記事にコメントする